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エリア・マネージャーからのメッセージ

仕事のやりがいを自分でつくろう
テクニカルセールスマネジャー、 佐倉弘持

100年以上の歴史を持つシームレスパイプ
―シームレスパイプの由来
パイプ(鋼管)というと大きく、板状の鉄を丸めて溶接する「溶接鋼管」と、当社が手がけている継ぎ目のない「継目無鋼管(シームレスパイプ)」とに分かれますが、この二つはまったく別の流れを持っています。シームレスパイプの歴史は、今から120年ほど前にさかのぼります。
発祥はドイツです。当時、デュッセルドルフの郊外にマンネスマンという兄弟の鍛冶屋がいました。この兄弟が自転車のフレームとなるバーを真っ直ぐにする試みをしていたんですが、たまたまバーの中心部に孔(あな)があいてしまったのです。このとき彼らは「棒状の原料を圧縮しながら回転させると、中心部に孔があく」という原理を発見したわけで、これを『マンネスマン効果』と言い、その孔のあけ方を『マンネスマン穿孔』と言います。1885年に発見された技術なのですが、これが現代までずっと続いているシームレスパイプ製造の基本技術なのです。

シームレスパイプの優れた特質
―溶接管との性質的な違いはありますか?
鋼管の製造では、材料の鉄にさまざまな化学成分を添加して強度を出したりするのですが、溶接管は溶接を考えると、化学成分の調整が難しいんです。添加する微量の元素はなるべく排除しないと不連続部ができたりして溶接が難しくなります。特に強度アップに適しているカーボンの量を落とさなければなりません。また、溶接によって不連続部や、材料の組織の乱れなどが生じるという欠点があります。シームレスパイプには溶接部がありませんから、添加する化学成分で強度を調整できますし、組織の乱れもありません。これによって強度に優れた高品質の商品が可能になるのです。もちろんシームレスパイプにも欠点はあります。一番の欠点は、寸法誤差が出やすいことです。溶接管は、板状の鉄を丸めて溶接するわけですから、厚さは非常に均一です。シームレスの場合は、穿孔という製造プロセスの関係上、肉厚(パイプの厚さ)の誤差が±10%程度出てきます。ですから、機械加工される素材としては難点ですが、強度部材としての平均肉厚が確保されていれば問題有りませんので前述の用途として広く使われています。

積極的なチャレンジ精神が持ち味
―テナリスが製造メーカーとして優れている点は?
まず、生産量が多いこと。そして、お客さまへの対応が早いことだと思います。また、お客さまからの要望があったとき、お客さまとともに考えながら、積極的に商品開発にトライしていく姿勢があることだと思います。これは、われわれ技術者にとっては、とてもやりがいのあるやり方です。もちろんこれには、お客さまとの信頼関係が高いことが前提となりますし、テナリスが今後も信頼されステイタスを上げていくには、トライして、成功率をさらに上げていかねば成りません。TenarisNKKTubes の優れている点は、生産量こそ多くは有りませんが、幅広い商品のサイズ、品種をカバーしているところだと思います。顧客は標準品( JISなどの規格品)を要求する一方で合理化目的や独自性の表現から新たな要求をしてきます。これに応えることは私たち製造メーカーの責務だとも感じています。(資源開発用に特化した話ではありますが。)

地質や石油井戸のタイプによって
提案できるノウハウと商品力 ―メインの商品である油井管についてお聞きします。
パイプをお客さまに薦める際のポイントはありますか?
お客さまは、石油開発に関しては技術とノウハウを持っています。しかし、そこに使われるパイプがどういうふうに作られるか、どういう利点があるか、どういう弱点があるか、そういった点までは理解されてないわけです。そういう点をフォローして、パイプはこう作る、こういう点を考慮しなければならないということまで含めて、その井戸に合った商品を話し合ってご提案します。
―具体的に考慮する点はどのようなことですか
技術的に大きなテーマは、強度と腐食になります。最も問題になるのは、地層に含まれる二酸化炭素と硫化水素の量です。このデータについて話しながら、最もふさわしいパイプの材料選定を私たちがしていく必要があります。断層の状況や深さによっても、パイプを変えていく必要があります。石油のあるところというのは、昔は海底だったので塩分があり、ソルトムーヴメントというのですが、地層自体が動きやすい。するとその動きによって、パイプが破損しやすい。だからその地層部分500mだけ、外面からの圧力に特に強いパイプを使いましょうとか、そういった提案もしなければなりません。

―佐倉さん自身はそういう仕事をしてきたわけですね
そういう仕事をヨーロッパ、東南アジアなど、世界各地でやっています。井戸を掘る場所として最初に参考にするのは地質学者の意見です。私が入社した昭和52年頃、石油の井戸の成功
率はだいたい1,000分の3、1,000本の井戸を掘って、3本が商業生産性のある井戸になるという感じでした。それから15年くらい経って、100本に3本という感じになり、この5年くらいですと、10本に3本が成功するくらいのレベルです。これは地質学の情報精度が飛躍的に上がったからです。この技術の進歩にはすごいものがあります。我々の仕事というのは、パイプの製造自体は100数十年来の技術的歴史のあるものを用いながら、最新の技術の流れに対応して話を進めていくわけです。その意味では非常にダイナミックで、面白い仕事といえます。
―地質にもパイプにも精通するという奥の深い仕事ですね
鉄鋼商品というのは、標準化してカタログで簡単に選べればベストなのですが、油井管に関しては、そういったスタンダードがあるにはあるのですが更なる要求をしてくるのが常のようです。井戸の深さ、地質に大いに関わってきますし、また開発した井戸にその商品が本当に合っているかどうか、簡単に立証できるものではありません。また、お客さま自身の事情もあります。お客さまのエンジニアで腐食で苦労した人がいる。するとそれが頭にあるから腐食優先の商品を考えるんですね。パイプのネジが壊れた経験のあるエンジニアは、ネジのことを中心に考える。我々の強みは、そういった悩み全般に応えることのできるノウハウと商品があることです。

仕事のやりがいを自分でつくれる企業
―就職を目指す学生の人に何かコメントを
就職する会社を選ぶ際、何をやっている会社で、そこで自分がどういう仕事ができて、将来の展開がどうなっていくのか、どんな可能性があるのか、ということをいろいろ見極めて欲しいと思います。シームレスパイプづくりというのは、若い人たちのアイデアがまだまだ活きる世界です。たとえばシームレスパイプをはじめとする鉄鋼商品は、150℃くらいまでは非常に安定した性質を示すのですが、200℃以上になると徐々に性能が劣化します。5,000mの地下で250℃くらいになりますので、高温でも強度が落ちずに使えるパイプというのは、今後のひとつの目標になってくると思います。まだまだトラブルがありますし、改良する余地はいっぱいある。そういったことを実際に自分の目で見て、自分の感性で解決していってほしいですね。

工夫の余地がたくさんある世界だと思います。単にマイナスの面を直すというより、積極的にお客さまの話を聞いて自分で考え、提案をしていく姿勢が大切で、そこから仕事のやりがいも生まれてきます。また、お客様と一口にいいましても、日本国内だけでなく、世界各地でビジネスを展開している企業ばかりですので、広い視野を持って仕事に取り組むことが大切です。
当社は、自分でやりがいをつくっていけるところだと思いますよ。日本の基幹産業として発展が続いていきますので、ぜひ若い力を活かしていただきたいと思っています。





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